『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズは3部同時撮影&追加撮影&特殊効果のためか、編集段階での直し忘れが多いことで有名ですが(事細かにチェックするファンが他の作品に比べて多すぎる、という話もありますが(^^;)、「王の帰還」もふんだんにあるようです。「ここが謎」や「ここに注目」な小ネタをのせていきますので、チェックしてみてください。
○デアゴル
冒頭のスメアゴルとデアゴルの格闘シーンで、デアゴルは右手で指輪をつかんでいたはずなんですが、最後にスメアゴルはデアゴルの左手から指輪を取り上げます。
○アルウェンのマジックブック
取り落とす時に一瞬だけ右側のページに絵が見えます。
○レンバス
空中でばらけているレンバスですが、さすがエルフ製、お行儀よく固まって落ちてます。
○鏡の国のアラゴルン
死者たちに囲まれてくるっと振り向く時のブローチの向きに注目。
○幽霊レゴラス
アラゴルンが死者の王に剣を突きつけている時の画面右上に注目。(度シリアスな場面でつい笑ってしまい、周りのひんしゅくを買うので注意(笑)。)
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○中つ国を股にかける子供
ファラミア軍を見送るゴンドールの市民の中の子供は、ローハンでもホビット庄でも見かけたような・・・。
○ミイラ・フロド
お目めぱっちりがチャーミングポイントですが、サムが床から抱き起こす時に一瞬だけ目が閉じられてます。でも、一番気になるのは、サムが指輪をどうやって取ったのか? 鎖ごと引き抜くには、あのぐるぐる巻きのままだときびしー。
○ドワーフの試練
洞窟に入って行く時より困ったのは海賊船から降りる時じゃないかと。「片手でひょい」って感じだったんですかねえ・・・エルフのにーちゃんが力持ちで良かった、良かった。
○アメーバ軍
「世界最強の軍隊」と言われる総勢約5000名の死者軍ですが、よくみるとちゃんと騎馬軍だったりします。たまたまこんな主人に巡り会ったばっかりに、馬たちも成仏できずだったんですね・・・。
○異空間黒門
アラゴルン達の馬はどこへ? という謎もさることながら、黒門に向かった時に騎手が持つゴンドールの旗のなびいている方向が、手前で待つローハン・ゴンドール兵の旗と逆。
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○白のマント・灰色のマント
デネソールの前からピピンと一緒に立ち去るガンダルフのマントの裾に注目。真っ白だったのに、次のカットで突然汚れてます。ゴンドールの玉座の間、ほこりがたまってるんでしょうか(笑)。
○瞬間点火装置付き?
ミナステリスの城門を壊しにかかる獣のような形をしたGRONDですが、火が消えているシーンが火がついているシーンの間にはさまっています。なぜ火がついていないといけないのかはよくわかりませんが、かがり火兼?
○間違い探しの絵のような・・・
ホビット庄にガンダルフが馬車に乗ってくるシーンで、水面に写っている木の影が、実際の木の形と違ってます。
○ファラミアの微笑み
クレジットの時にうつるデッサン人物画の中で、ファラミアのあの何とも言えない優しい表情は本編には出てこないじゃないですか! 観たい〜。(あり得るとしたら療病院でのラブシーンくらいか?)ちなみにあのデッサン画、ゴンドール執政親子が一番出来がいい、というか、本編で描ききれなかったキャラの側面、デネソールの高貴さ、ボロミアのりりしさ、ファラミアの慈愛、がよく出ていると思います。
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「歓声をあげながら映画を観たい!」という願望を実現してしまった企画がありまして、4月半ばの日曜朝早くから南大沢の地に集った指輪ファン総勢57名と共に楽しいひとときを過ごすことができました。
当日受付の手伝いなんぞをやっていたおかげで、座り心地抜群のプレミアシートに腰を落ち着けた時には、すでに「疲れた〜」って感じでしたが、「アカデミー賞11部門完全制覇!」の文字が出ると同時に会場から拍手がわき起こると、疲れも忘れてうれしさ100倍。やっぱりこうでなくちゃ〜。
黄金館でセオデン王の乾杯の音頭に合わせて"Hail!"と声をあげ、メリー&ピピンの歌に合わせて拍手がしていると、あたかも自分も黄金館にいるかのような錯覚に。
ナズグルに追われるファラミア軍を助けに”白の乗り手”が現れと場内から拍手がわきあがり、いつも心が洗われるボーイズソプラノに今日はひと際ぐっと来ます。
そしてペレンノール野。お約束の”DEA--TH!"では、一時的にローハン兵にならせて頂きました(笑)。エオメル、エオウィンの活躍に拍手しながら、わたしはペレルギアの港を心待ち。無人にみえる海賊船からアラゴルン、ギムリ、レゴラスが飛び降りてくると、わーい、場内から盛大な拍手〜!! 今日もレゴラスは走りながら弓引いて、おまけに数まで数えてますね〜。そして、アラゴルンの一声で、お待ちかねのレゴラス独壇場。やっぱりここは盛り上がりながら観ると楽しいですよ。
男前サムには、キリス・ウンゴルの塔を駆け上り3人のオークを倒すシーンとあの滅びの山を登る途中の名台詞のシーンで拍手を送りました。
しかし、アラゴルンファンとして一番感動したのは、何と言っても黒門前。" I bid you stand, Men of the West!”で、思いのたけをこめて拍手しました。(手元に剣があれば一緒に抜刀したい所でしたよ。)世間評ではセオデン王に負けてる、と言われるゴンドール王の演説ですが、わたしにとってみれば、気持ちの入り様が全然違うわけで、もう泣きそうでした。
戴冠式ではもちろんゴンドールの民化し、今回ばかりは、王冠のデザインにも目をつむって一緒にお祝い。エオメルが映るとひときわ盛大な拍手が起こって、ちょっとびっくり。エオメルファン多いですねえ。エルフ一族を率いるレゴラスにも拍手〜、でも、さすがにアルウェンに拍手するほどには寛大になれず(笑)。会場のみなさまも同じだったようで(爆)。
"The End"でほっと一息の拍手の後のタイトルロールでは、キャストの顔が映るのに合わせて、まるでカーテンコールの様な拍手が沸き起こり、とてもあたたかかったです。直接ねぎらうことはできないけれど、この拍手に気持ちを込めたい、って思いがひしひしと伝わってくる感じでした。
いや〜、いつにも増してあっという間の3時間半。でも、充実感が残る至福の時間でしたわ。
自分が楽しむのに夢中でしたが、参加されたみなさんも同じように楽しんでくれていたらいいなあと思います。
そして、最初は冗談かと思っていた前例のない企画のために行動を起こし、開催決定から開催日から1週間という厳しい状況下で、身を削って企画を成功させた幹事さん、本当にお疲れさまでした。(& Special Thanks to 素人企画を通してくれた南大沢TOHOの支配人。)
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南大沢の後、高槻を経て、川崎で行われた指輪ファンのための上映会(俗に絶叫オフとも言う)企画第三弾。連休中、7:10AMからの上映会に100名以上が集まるというのはどう考えても異常ですよね(笑)。
事前に受付証やチラシを作って下さった方がいたりと、盛り上げアイテムもばっちり。南大沢も参加したという方もちらほらお見えになり、みなさまさすがです(^^;。
予告編『トロイ』で盛り上がってましたのは、ボロミア役のショーン・ビーンのサブリミナルのようなワンショット。(オッデュッセウス役という割に扱いが小さいのは、この映画ではあんまり出番がないのかしらん・・・?)
一般スクリーンでしたが、スクリーンが大きく音響も良くて迫力ありました。(実を言うとここのプレミアスクリーンより迫力有り。。。)
自分も今回はリラックスしているせいか、会場の雰囲気を楽しむ余裕がありました。ちょこちょこツッコミが入っていましたが、大どころは南大沢の感動再びということで。個人的には、オスギリアスでのご臨終シーンで「マドリル!」と叫べたことと、ペレンノール野で矢を射るギャムリングに声援を送れたことで、プラスアルファの満足度でした(笑)。
フロド&サムシーンでは、大いに感動している観客の方の雰囲気が伝わってきて、しみじみとした気分になりました。ええな〜。
二次会ランチバイキングで2時間、その後も夕方まで延々しゃべり続けて、どっぷり指輪世界に半日まるまる漬かっていたことに。いや〜、楽しい、楽しい!
自分を含めてここまで盛り上がる理由を考えてみると、一言でいってしまえば、トールキンの小説がもつ人々を魅了してやまない物語の力と異世界を説得力あるイメージで描きだした映像の力が合体した結果なわけですが、百人百通りの楽しみ方をPJ版『ロード・オブ・ザ・リング』という媒介が語りやすくした、という効果もあるのかも。「指輪」とは全然関係ないところで、最近某友人と、小説でも映画でも、作品は作り手の意図に関係なく受け手によって必ず変容するもので、その作品が後世に残っていくかどうかは、たくさんの人に触媒として作用するものがあるか否かなのではないか、という話をしたことがあって、『ロード・オブ・ザ・リング』に当てはめると、元々原作自体がもっていた触媒作用に感化された多数の人が関わったPJ版映画は、原作から変容を遂げながらも、さらに大規模な触媒としての作用を持つ作品に仕上がっていると言える気がします。
まあ簡単な例では、百人百通りのアラゴルンというキャラクターイメージがあるけれど、ヴィゴ演じるアラゴルンという一つの共通イメージを一つの目安にすると、自分のイメージとの差異を認識しやすかったり、あるいはそこから更にイメージを広げやすかったりするよね、ということです。
ともあれ、楽しい時間をつくってくれた企画人さん&参加者のみなさま、お疲れさま&ありがとうございました。
またの機会がありましたらぜひお会い致しましょう。(いずれSEE版上映会があることでしょうし(笑)。)
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映画でメインキャラの他にエンドロールで肖像画が出ない脇役もキャラが立っていて、背後にドラマがありそうな感じがするところがまた何度観てもおもしろいところです。ローハンとゴンドールの二大側近を取り上げてみましょう。
まずはローハンのギャムリング。
原作ではヘルム峡谷の歩兵隊の指揮者の老人ですが、映画では、セオデン王の側近に抜擢され、年も若め。TTTで登場した時には、ハマ(原作ではセオデン王の近衛隊長。映画ではワーグ襲撃時に戦死。)と見分けがつかないと言われていましたが、出陣するセオデン王に武具をつける手伝いをしてする姿は印象的。
ROTKでもさりげなく随所に登場しています。アイゼンガルドへの一行に随行し、黄金館の宴会で祝杯を上げる時には最前列のアラゴルンの隣に位置し、踊っているメリー&ピピンが蹴飛ばしたビールを浴び(歌の間中ずっと怒っている(^^;)、馬鍬砦ではエオメルと食事をし、セオデン王には兵を代表して「サウロンの軍勢には勝てない」と申し立て、ペレンノール野の戦いでは王旗とともに中央で奮戦、ジュウに向かう時には突撃の角笛を吹き鳴らします。弓を射る姿を最後にそれ以降姿を現わさないためペレンノール野で戦死、というのが定説。エオウィンが馬から落ち「メリー!」と叫ぶシーンの手前、画面はオークの櫓が破壊されている戦闘シーンですが、バックでセオデン王らしき声で「Gamling!」という叫び声が聞こえます。絵がない分想像力をかきたてられますが、やっぱりセオデン王をかばってお亡くなりになっているんでしょうかねえ。SEEでシーンが入るといいな〜。
ちなみにギャムリング役のブルース・ホプキンスは元プロダンサーだそうです。(ダンシング・ギャムリング・・・違うって(笑)。)
そして、ゴンドールのマドリル。
ファラミアの側近。原作には出てこないキャラですが、若いキャプテン・ファラミアを支えるお目付役であり副官という感じ。厳しくノーブルな顔立ちがいかにもです。TTTでファラミアが捕らえたフロドとサムを解放しようとした時に「彼らを逃がせばデネソールが定めた法の下あなたが死刑になる」と言って止めようとするわけですが、よくみると諌めていると言うよりマドリルの表情はファラミアを心配しているんですよね。(過去にデネソールの前でファラミアをかばってあげたことも多くあるに違いない。)ヘンネス・アンヌーンとオスギリアスをとんぼ帰りしていて、外見年齢の割にはフットワークも軽く前線で戦う戦士でもあります。
ROTKでは、オスギリアスの戦いでオークの指揮官ゴスモグにとどめを刺されて命を落とします(涙)。(ゴスモグは隣のオークの槍を奪ってマドリルを刺しますが、そのオークを演じているのはヴィゴ・モーテンセンの息子のヘンリー君。)そして、マドリルの首は切り取られて、投石機でミナス・テリスに返されるわけです(号泣)。(王の手で癒されたら、嫁さんゲットもいいけど、まずはマドリルの供養をしてあげてください〜>ファラミア。)
いつも厳しい表情のマドリルですが、TTT SEE版でボロミアがオスギリアスを奪還した時の、兄弟が集い祝杯をあげる前のシーンのバックで、ほんの一瞬笑顔がみえます。
本来、側近キャラナンバー1として描かれるはずのハルバラドが映画では登場しないのが重ね重ね残念で仕方がありませんが、こんな脇キャラにも注目すると物語世界がさらに奥深く感じられて楽しいです。
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