『ロボッツ』
ユアン・マクレガーが主人公の声をあてているので、見てみましたが、結構楽しめました。
ロボットの世界を舞台にした、フルCGアニメーション。
主人公のロドニーは、小さな田舎町の貧しい皿洗い機ロボットの息子。彼は夢を抱いて大都会に出てきますが、そこは憧れた偉大な発明家に代わり、金儲け主義者が支配する街になっていました。
「中古ロボット用の修理部品なんて儲からないから、アップグレード商品のみ生産しよう。」という、皮肉なコンセプトが、アメリカのアニメーションで使われていることに、時代も変わったなー、と。
このロボットの世界で子供を授かるっていうのは、赤ちゃんロボットのパーツキットが送られてきて、組み立てるところから始まるんですよ。で、「成長」につれ、パーツを変えていくのですが、新品が買えない場合は、いとこの「おさがり」だったりするのね。
なんでロボットなのか? とか、この世界の社会システム、とか、まー、あんまり深く突っ込んではいけないのでしょう。ビジュアル的にはフルCGだけれど違和感がなくひとつの世界を作り上げていて、音楽とそれに合わせた動きを上手く使いながら、テンポよく仕上がってました。ブリキのロボットの世界の描写へのこだわりは、『スチームボーイ』の歯車へのこだわり、に近いものがあるんじゃないかと思うのですが、こちらはうまく大衆映画に落とし込んであり、感心します。「雨に唄えば」の替え歌で、"I'm singing in the oil"、とか、パロディねたも結構笑えました。
引退を余儀なくされていた偉大な発明家にして大企業社長のビッグウェルド博士の経緯とか、黒幕マダム・ガスケットがどうしてあんなになっちゃったのか、もうちょっと描いてほしかったですが。まあ、子供向け勧善懲悪物語に徹しているわけですね。
王道だけれど、「夢をあきらめるな」という父さんと子供の関係も、嫌みなく心温まる物語になっていると思います。
やっぱり、こういういい人キャラにはユアンってはまります(笑)。ちなみに、声のカメオ出演で、ヴォイス・ボックスから、"The Force is strong in this one"と、スターウォーズ4−6のダース・ベイダー卿の声が流れます(爆)。