その他いろいろ


ここでは HP電卓のあれこれを並べてみます。

■表示モード
35sでは数値の保存は12桁精度(複雑な内部計算では中間結果を15桁精度で計算します)ですが、表示部は見やすいように設定できます。

電気・電子回路など工学系の単位は、103がk(キロ)、106がM(メガ)、10-3がm(ミリ)、10-6がμ(マイクロ)・・・と指数部が3の整数倍になっています。そこで表示形式をENG(工学式指数部付き形式)モードにしておくと、常に指数部が3の整数倍で表示されます。

私は普段は表示桁数を3にしているので、たとえば「12345 ENTER」と入力すると「12.35E03」と表示されます。これは最上桁+3桁が表示(4桁目を四捨五入)され、右側に10のべき数が3の倍数(103)で表示されるわけです。なので、12.35kとすぐに読めます。また220E-8(220×10-8)と、べき数に3の倍数以外の数値を入力してENTERを押すと、2.200E-6(2.2マイクロ)と3の倍数に変換して表示されます。電気・電子回路の計算では非常に便利です。

■文字による表示
35sでは、表示部分が2段になり、アルファベットも表示されます。階層メニューも2段で表示され、情報量が多く格段にわかりやすくなりました。エラー・メッセージも、たとえば0で除算をしたような場合は、エラー・コードではなく「DEVIDE BY 0」と表示されます。
またプログラムの実行中にユーザーに変数値の入力を促す場合も、「S?」のように変数名(この場合、S)を表示して停止し、入力を待ちます。

■分数
35sでは分数の入力もできます。たとえば1・1/2は、
key key key key key
とキーインすると「1 1/2」と表示され、key を押すと1.5と変換されます。

■メモリ
35sには30kバイトのユーザー・メモリがあります。ここにプログラムや変数値を格納しているわけです。32SIIでは384バイトでしたからかなり増えました。ちなみにプログラム1行は1.5バイト、数値は9.5バイト(0から99までの整数は1.5バイト)消費します。

■取扱説明書
HP電卓にはブ厚い取扱説明書が付属しています。こんなに厚いマニュアルを読まないと使えないのか、とびっくりしますが、内容はRPNやスタックといった概念や、例題の解法を豊富な図を使って具体的に解説している部分がほとんどです。RPNとは、スタックとはなにか。スタックの働きはどうなっているのかなど、初心者向けに詳しく説明されています。

現在、日本HPが電卓の販売をしていないので、正式な日本語版の取扱説明書はありません。しかし、35s に限っては、日本の販売代理店であるジュライさんから、翻訳版の取扱説明書が pdf で提供されています。これは本当に画期的なことで、今までも有志によって翻訳版を作ろうという話が出ては消えていたのですが、ようやく実現しました。ジュライさんのhp電卓にかける意気込みに拍手を送ります。

将来的には他の電卓(特に48,49系)も、という要望が早くも寄せられているようです。英語版の取扱説明書しかないために、35s を始めとする hp 電卓の購入に二の足を踏んでいた方は、この機会にぜひご検討されてはいかがでしょう。

■HP-11Cのバグ
電卓といえどもバグはあります。いくつかのモデルでバグが公表されています。
私が使っているHP-11Cは初期型のようで、『0.0***(*は任意)』と入力し、バック・スペース・キーで全桁を消去してENTERを押すと、本来全桁『0』になるはずですが『1.00』と表示されます。後期モデルでは修正されているということです。

■パーツの使いまわし
私のHP-16Cの『F』キーをよく見ると『CHS』を塗りつぶして改めて『F』を印刷した形跡があります。これはHP-12Cのキー・ボタンの使いまわしらしいです。
初期型の11C15C16Cでは、12Cのキー・ボタンを使いまわしたらしいですが、手元のモデルでキーを塗りなおした形跡があるのは16Cだけでした。

■ビジネス向け電卓
HP電卓は科学技術計算用だけではありません。実は金融計算用のモデルもあり、証券会社とか銀行員、会計士のような人たちがHP-12cHP-17bUを使っているのをときどき目にします。こちらも長い歴史があり、「一度使うと手放せない」というのは同じなようです。またアメリカの金融界では胸ポケットに12cを入れている人は「できる人」というイメージがあるらしく、一種のステータスになっているということです。ちなみに12cは『12c Platinum』というモデルもあります。色が違うだけでなく、機能的にも少し増えているようです。

■非RPNモデル
RPNという独特のスタイルを持つHP電卓は、競争力という点では過去の栄光にすがってばかりではいられないようで、昔は考えられなかった非RPN専用 (いわゆる『数式通り入力』のみ)タイプのものが廉価版モデルとして続々と登場しています。

現行モデルの科学技術計算用では前述の9s30s、グラフィック・モデルでは9g(グラフィック・モデルといっていいのだろうか? HPがそういっているんだから、そうなんだろう、きっと)、金融計算用の10bII が非RPNタイプです。

ちなみにこんなのもあります。関数電卓で¥990.ですって。もちろんRPNじゃありません。

最新モデルの 35s はRPNモードとALG(数式どおり入力)モードを切り替えて使用できます。ALGモードでは表示部分の上段に計算式が、下段に結果が表示されます。RPNがイマイチよくわからない、あるいはRPNの操作にいまひとつ自信がもてない方は、始めはALGモードで使ってみるというのもテです。

でもこれらでHP電卓を使い始めて、暫くして上位機種が使いたくなっても、一から RPN を覚えなきゃいけないというのは、どうなんですかね? もったいない気がしますが・・・

■hp電卓を入手するには
日本HPが電卓の扱いをやめてしまった直後は、日本でHP電卓を入手するにはアメリカやシンガポールの通販会社から個人輸入の形で購入するしかない、という暗黒時代がありました。現在は国内に『ジュライ』という代理店があるので入手は簡単です。

その他、アメリカや身近なアジアあたりに出かけたときに買ってくる、というテもあります。hpの場合、正規の代理店であれば大幅に値段が違うということはないと思います(その昔、香港で買おうとしたら日本で買うのとほとんど同じ値段かちょっと高かった記憶がある)。


リンク集

日本ヒューレット・パッカード [ http://welcome.hp.com/country/jp/ja/welcome.html/ ]
一応、敬意を表して載せておきますが、製品情報に電卓(CALCULATOR)はありません。ちなみにアメリカのHPサイト[http://www.hp.com/calculators/]では扱っています。日本でも再び扱いを開始してくれればと思うのは私だけではないはずです。

HP電卓博物館 [ http://www.hpmuseum.org/ ]
HP電卓の歴史・変遷からRPNのバージョンの違い、内蔵チップの話などマニアックな話題が満載のページです。自分の持っているHP電卓はこういう素性?だったのか、と新たな発見があります。

hpcalc.org [ http://www.hpcalc.org/ ]
こちらもHP電卓フリークには有名なサイトです。特に48、49などのグラフィック電卓関連の情報が満載です。ちなみにHP電卓の販売もしています。

株式会社ジュライ [ http://www.july.co.jp/ ]
国内にHP電卓の販売代理店ができました。ただし実店舗は無いので全て通信販売になります。通販送料は一部を除いて¥530. で、1万円以上で無料だそうです。ようやく苦労せずにHP電卓を入手できるようになりました。

株式会社トライテック Web Site [ http://www.tritech.tv/ ]
私の会社のウェブサイトです。おヒマでしたら覗いてみてください。


このページのトップへ 扉へ