におの海

01. 真意
02. 困惑
03. 奔走
04. 疑念
05. 不安
06. 部屋
07. 食事
08. 歓談
09. 肢体
10. 乱衣
11. 焦燥
12. 指姦
13. 融合
14. 貫通
終焉
1.欣喜 2.焦燥 3.激情 4.忘我 5.哀切 6.愛憎 7.無常

(本文からの抜粋)

 黒っぽいスカートのスリットからむき出しの白い脚。その妖艶な踊りに翻弄され、恐らくぼくの目は血走っていたと思う。ズボンの前も興奮の度合いをありありと示していたに違いない。そんな状態になったとき、リエさんが「ちょっと疲れたわ」とソファーの背をお転婆にまたいで、ほぼ正方形の広々とした後ろのベッドに移った。
「ね、こっちで横になって話さない?」
 あお向けに横になったのはいいのだが、両ひざを折って立てたものだから、軽いポリエステル入りのウールスカートがするっと落ちてしまった。見るからにおいしそうな太ももの全部が、ぼくの目の中に飛び込んできた。
 太ももというより、もうお尻といったほうがふさわしいところの横に、さっきカフェテリアで握った手がしどけなく投げ出されている。そしてまるで透明のゴムチューブをしごいているように、やわやわと指が動いている。
 早く私の隣に来て。
 リエさんは何も言わなかったが、はっきりぼくの頭の中で聞こえた。

 ああ、その指で、その手で、このぼくの興奮を包んでほしい。
 ふらりと立ち上がって、ベッドに近づく。そうしながらベルトを外していた。
 トランクスから突き出ているのを見られたっていい。もういつまでも恥ずかしがっていられない。ましてやベッドに横になって女の人と話をするなんて、ぼくにはできない。
 リエさんのすぐ脇に体を横たえた。そして握ってほしいものを出した。何週間も前から夢想していたことを、今こそしてもらうんだ!


この作品は特に最後まで通読してほしいですね。

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