(本文抜粋)

「来てくれたのね。さ、早く」
 布団をちょこっと上げてくれたので、やっぱりこっちでよかったんだと、ほっとしました。
 ママ先生のベッドに枕を置いて中に入ると、それを待ちかねていたかのように、すぐ抱きしめられました。
 ぼくの頭をあごの下に抱えたママ先生は、小刻みに体を震わせていました。よほど雷が恐かったのでしょう。もっと早く来てあげればよかったと後悔しました。
 しばらくそうしてじっとしていると、相変わらず雨は激しく降っていましたが、雷も稲妻もなくなり、ママ先生の震えも少しずつ弱まってきました。でも、ぼくの方は段々心が落ち着かなくなっていました。
 ピーチゼリーのような透け透けのネグリジェの胸元から、甘酸っぱいいい匂いが鼻をくすぐるのです。そっと大きく息を吸って嗅ぐと、くらくらっとしました。きっとマリファナなんか吸うとこんな感じになるのでしょう。
 ネグリジェの手触りも、とても素敵でした。ツルツルの生地なのに、全体はふわふわなのです。ママ先生の腰からウエスト辺りをそっと撫でると、その感触のよさはさらにはっきりして、わくわくしてきました。
 腰の後ろの、もうお尻になりかけているところに、手が差し掛かろうとしたときです。
 ガラガラバリバリ!ドドーン!
 ものすごい音がしました。近くに雷が落ちたのに違いありません。
「ヒッ!」
 しゃっくりみたいな悲鳴を上げて、ママ先生がぼくをきつく抱きしめました。
 やっと遠のいたかなと思っていたところへの落雷でしたから、とても驚いたのでしょう。だけど、お尻を触られたのでびっくりしたのかと、一瞬思ってしまいました。
 どちらにしても、ぼくは感激ものでした。ママ先生とぼくの体がぴったりくっついたのです。
 ママ先生は再び震え始め、はあはあと苦しげに速い息をしているのが感じられました。そんなママ先生が、か弱い少女のように思えました。

戻る