(本文抜粋)
「もういい!もういいんだ。分かったよ。だけどもうそんなことはしないで。お母さんは僕だけのもんなんだ!」
俊は玲子の胸にしがみついた。
話を聞いて、パンティーを康男にあげた母を恥ずかしいとは思わなかった。きっと正しいことなのだろう。でも、康男はきっとそのパンティーで自慰するに決まっている。それが口惜しいのだ。自分でさえ、去年の夏一度使っただけなのだ。しかしそれを母には言えない。
どんなに他の男たちが母に興味を示そうと、母は自分だけのものであることを確信していたし、それが喜びでもあった。自分でも気が付かない振りをしているが、義父の良介に対しても妬心はある。それが良介と話をする時まだ他人行儀になるゆえんでもあった。
「分かってくれたのね。お母さん、もう誰にも下着なんかあげないから、ね?」
胸に顔を埋める息子の髪を撫でる。思えばパンティーを無くしたのはこれで二度目であった。アトリエに置き忘れたのはどうなったのか、戻ってきていない。多分晃一が持っているのだろう。
スェーターの裾から俊が手を滑り込ませ、ブラジャーに包まれた乳房を触り始めたが、玲子は拒めなかった。昔は毎晩そうして寝かしつけていたのだ。康男のことで負い目を感じて、まだ泣きじゃくる息子をなだめすかそうと、服を着たまま蒲団の中に入った。
ブラジャーの上端から手が差し入れられ、素肌の乳房が掴まれた。