読んでいて感じたのが、ネチっこい描写が多いな、と言う点です。
「夏の暑いさなか、狭い室内」で、「(暑っ苦しい)肉体派の中年男」の眼が、ネチっこく女の身体を這い回る…と言う展開は、和姦やレイプとはまた違った、獣的に淫靡な空間を想像させます。「二人の」グッと押し殺した欲望が、よく表現されていると思います。まるでその場の空気の粘り気や熱い息遣いまで聞こえてきそうでした。
お気に入りのシーンは、キッチンで前屈みになった恵子を抱きとめた瞬間。時間の流れが遅くなる、のるかそるかのこの瞬間が好みです。
「パンティの中の一番柔らかな肉に、固いズボンの中央が擦り付けられると、恵子もそれに順応して尻を振り始めた。」
なかなか素直でいい。
「その気十分のくせに、もったいぶって暴れる女ほどかわいげのないものはない。」
うむ、まったくだ(爆)。

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