鳰の海、拝読しました。
面白かったという感想文はヤマほど来るでしょうから、敢えて浅学非才を省みずに辛口を。
高校生の回想ということなので、わざと稚拙な文体にされてるのでしょうが、我々(私)、ファンにとっては少し、物足りなさが残りました。
初期の『満たされて』の中での老画家と高校生、『華麗なる淫神』での冒頭のイタリア人、又、黒人実業家とのシチュエーションなど(他にもありますが)、いまでも鮮烈に残っているものに比べると一味違うという感じがします。
もっとドロドロ、ネバネバでそしてソフィスケイトされたOctober流のパフォーマンスを期待します。


私の中では、「満たされて」「教え子」に次ぐ傑作だと思います。
まさか、こんな話になるなんて・・・感激です。
あの〜これは、余計な詮索かもしれませんが、すべての作品を通じて神無月さんの実体験がどこまで入っているのかな〜などと勘ぐってしまいました(笑)
今回の作品は、「キャリアウーマン」から「鳰の海」に改題されたわけですが、リエさんと言う、おそらく女の私ですらあこがれてしまう、キャリアウーマンと高校生との関係と言う、アンバランスを考えるとピッタリな改題だと思います。
なんか壬申の乱ころの王朝絵巻を想像しつつ、現代の不倫を想像してしまう。


挿絵画像の脚は、きれいなだけでなくほんとにエロっぽいなあと思います。
神無月さんの作品の特徴として,これまでも状況描写はとても巧みなのですが心理描写が今少し伝わらなかったようにおもいます。
本作品では会話を多用することによって心理描写を補完し一応成功しているようですが。

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