におの海

読者 神無月
鳰の海、拝読しました。
まず、鳰が分からずに辞書を引きました。
『鳰の海』という作品名はただ単にベッドの上に置かれた短冊から採られたのではなく何か、思い入れがあるにちがいないと想うのですが?
ひょっとして、前ふりのあった「潮吹き」と関係がありますか?
ないでしょうネ。
面白かったという感想文はヤマほど来るでしょうから、敢えて浅学非才を省みずに辛口を。
高校生の回想ということなので、わざと稚拙な文体にされてるのでしょうが、我々(私)、ファンにとっては少し、物足りなさが残りました。
初期の『満たされて』の中での老画家と高校生、『華麗なる淫神』での冒頭のイタリア人、又、黒人実業家とのシチュエーションなど(他にもありますが)、いまでも鮮烈に残っているものに比べると一味違うという感じがします。
もっとドロドロ、ネバネバでそしてソフィスケイトされたOctober流のパフォーマンスを期待します。
「終焉」楽しみにしています。
「鳰(にお)」ですが、少なくともMSIN5.0以降をブラウザとして使用すると、ルビが振られるはずなのですが。
私もこれを書くまで鳰を知りませんでした。
作品の注釈のページに、説明文を補填することにしました。

「鳰の海」をタイトルにしたのはさほど深い意味はありませんが、この歌の「しおり」は<終焉>での伏線となっています。

文体については、お察しの通り高校三年生をかなり意識しております。
これは「ママ先生とぼくとのこと」、「私が憂鬱な理由」などと同様の手法です。

<終焉>が期待通りであればよいのですが、どうだったでしょうねえ。
いや〜今更ながら、神無月さんの文才には驚かされます。
連載当初、かなり気にされていたみたいですが、とんでもない。
私の中では、「満たされて」「教え子」に次ぐ傑作だと思います。
終焉だけでも立派な作品でしょう。私が出したアイデアなんておこがましい。
まさか、こんな話になるなんて・・・感激です。
あの〜これは、余計な詮索かもしれませんが、すべての作品を通じて神無月さんの
実体験がどこまで入っているのかな〜などと勘ぐってしまいました(笑)

話が横にそれました。

今回の作品は、「キャリアウーマン」から「鳰の海」に改題されたわけですが、リエさんと言う、おそらく女の私ですらあこがれてしまう、キャリアウーマンと高校生との関係と言う、アンバランスを考えるとピッタリな改題だと思います。
なんか壬申の乱ころの王朝絵巻を想像しつつ、現代の不倫を想像してしまう。
そんな感じでしょうか(なんのことやら(^_^;))
とにもかくにも、終焉をまったかいがありました。

あっと忘れてた。今回の写真はバッチリじゃないですか。
女の私もそそられました(変な趣味はないけどね・・・)
それではまた、楽しく、エッチな新作を期待しています。
「満たされて」「教え子」に次ぐ傑作ですか?
そうおっしゃってくださった方がほかにもおられましたが、喜んでいただけて嬉しいです。
男の子の心の内を中心に据えたので、どこまで大人の男性や女性の共感を得られるか心配でした。
途中から、扇情的作品にならなくても、書きたいことを書こうと、半分開き直りました。

第一部で終了の予定が、続きが欲しいというご意見から第二部<終焉>が産まれたのですが、おっしゃるように、<終焉>だけでも小品の形を成すように心がけました。
自分でも思ってもいなかった結末ながら、うまくまとまったな、と自画自賛してます。(^^ゞ

実体験と創作の度合いですが、「読者の声」で何度かお答えしているので省略します。この作品に限って言えば、実体験に基づいているウエイトがかなり高いですね。
どの辺り? それは企業秘密です。(笑)

タイトルは悩みました。
今でも「鳰の浮き巣」にしようかと迷ってます。

挿絵画像の脚は、きれいなだけでなくほんとにエロっぽいなあと思います。
神無月さんの作品の特徴として,これまでも状況描写はとても巧みなのですが心理描写が今少し伝わらなかったようにおもいます。
本作品では会話を多用することによって心理描写を補完し一応成功しているようですが・・・
そうでしたかあ。
一人称形式ですと主人公はいやっというほど語れますが、相手方の心理を説明するのは難しいですね。
リアルでも、相手の気持ちは、会話や素振りから推測するしかないわけですから、こんなところかと思ってます。

03/2003

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