長崎県離島低山

対馬(通山・聖母山) 五島(細ヶ岳・番岳)

海岸から突き出た聖母山


【行程】 11/20(土)曇り[たまプラーザ14:00=(バス)=羽田空港15:00/16:20=(JAL1727)=福岡空港18:16/18:39=(地下鉄)=博多18:44(泊り)]
11/21(日)快晴[博多7:01=(地下鉄)=福岡空港7:06/7:50=(ANA4901)=対馬空港8:28/8:45=(車)=NNE(*)9:00/9:07-通山9:54/10:00-NNE10:36/10:43==W11:18-聖母山11:21-W11:23==対馬空港12:15/13:35=(ANA4906)=福岡空港14:00/17:25=(ANA4919)=五島福江空港17:55/18:08=(車)=福江18:18(泊り)]
11/22(月)快晴[福江7:35=(船)=黄島港8:05-SE8:39-細ヶ岳8:41-NE8:45-溶岩洞穴9:22/9:34-N9:50-番岳10:00/10:16-N10:33-黄島港10:40/15:30=(船)=福江16:04(泊り)]*山頂からの方位
【メンバー】 隊長


【通山】とうのやま(37.9m)長崎県第三位  2万5千分1地形図(雞知)

国土地理院発行の2万5千分1地形図(雞知)空港のツシマヤマネコ(ポスター) ○いよいよ低山巡りもカウントダウンですが、行きにくい所ばかり残っています。今回は対馬と五島の離島シリーズです、土日と勤労感謝の日を使って四連休を捻り出し出撃いたします。九州場所で賑わう博多に前泊し、朝一番の飛行機で対馬に向かいます。難関の通山を前に心配していた天気は晴れと幸先はよし。

○通山はリアス式の浅茅湾に浮かぶ島から伸びた細い半島の先端にあります、道は無いので車道から1Kmの藪漕ぎを覚悟しています(ツシマヤマネコに遭えるかも)南北に伸びる縦断道路を左折すると細いけれど快適な舗装道路が続きます、パールブリッジを渡ると登山口です。地図に無い道が分岐しているので下って見ましょう、真珠の養殖場への道でした。ここから20mぐらいの尾根を乗越しますが、棘のある木が前進を阻む手強い藪に突入です

ようやく辿り着いた貴重な三角点○尾根上は薄い踏跡も見られますが木々が繁り付近の展望が利きません、地図と磁石だけでは現在地点の確定も難しく野性の勘が頼りです。目の前に突然海が現れる度に方向修正を繰り返しながら忠実に尾根を辿ります、そのうちに何処を歩いているのか自信の無くなる隊長でした。30年ぐらい前にはこの辺りにも山猫が住んでいたようですが、薄暗く濃い藪の中ですからガサゴソと音のする度にドキッとさせられます。

対岸から通山○そろそろ山頂と思われるピークで猛烈な藪に行く手を遮られます、強引に潜り抜け下りますが前方に海が見え磁石は北を指します『間違えたー』慌ててピークに向かって藪を漕ぎながら戻ります。すると白い杭が目に飛び込んできました『もしや三角点さんの親戚筋では?』近くに立派な三角点を発見した時の感激は言葉になりません。




【聖母山】せいぼやま(43m)長崎県第四位
 2万5千分1地形図(雞知)

国土地理院発行の2万5千分1地形図(雞知)○右手に海を見ながら海岸沿いの道を進み、車島を過ぎると前方に聖母山が望まれます。大きく左に曲がる角に金比羅宮への急な階段があり紺色の幟がはためいています、上の社には老人が参拝中でした。隊長も怪しくない者の証として一応お参りをしますが、目の前の立派な鯛のお供えには驚かされました。

飛行機からリアス式の浅茅湾を望む○三角点は社の裏の小高い岡にありました、H12の新しい小さな四等三角点でした。眼下には竹敷漁港が深い緑の水を湛え、東方には浅茅湾が広がりリアス式の入り江には緑濃い岬の影を映します、先ほど登った通山も正面に見えました。

○対馬空港から飛び立つと翼の下に浅茅湾が一望され、明るい陽光のなか緑の島影が紺碧の海に浮かび上がり、島々の入り組んだ海岸線は松島の何倍も美しいものでした。素早く通山に焦点を合わせ食い入るように見つめながら満足感に浸ります。




【細ヶ岳】ほそがたけ(25m)長崎県最低峰
 2万5千分1地形図(黄島)

島の西端にある細ヶ岳 ○長崎県の最低峰は五島列島の福江島の南18Kmにある周囲4Km人口約50人の孤島にあります。福江から小さな船で黄島を目指しますが、お客は2人きりで船員の方が多い有様です。黄島港からは番岳のおおらかな山容が間近に望まれ、山頂の白い灯台がアクセントを加えます。まずは細ヶ岳を目指して西に向かいます。

○舗装された細い道を進むとピラミダルなピークが海を背景にして忽然と姿を現します、地元で「ワンワン」と呼ばれている細ヶ岳でした。山麓からは南東のアプローチが良さそうです、岩場を登ると軽い藪ですが難なく突破し見晴らし抜群のピークです。




国土地理院発行の2万5千分1地形図(黄岳)○北側には海を隔てて福江島が大きく広がり、南にはすぐ前に美漁島が黒い岩肌を見せ白い波が砕けます。西方は限りなく続く海原で、豊な漁場を白い漁船が行き交います。下りは北に向かいます、少々手強い藪を突破すると露岩になり歩き易くなりました。

○時間が余るほどあるので番岳を周遊しましょう、途中に溶岩洞穴があるので立ち寄ります。海岸までロープ伝いに降りると観音様を祭った洞穴がありました。高さ2mぐらいの洞穴は130mぐらい続いているようです、ヘッドランプを点けても暗い中を水溜りに嵌りながら50mほど進みますが、もう足が前に出ません(情けなぁ~)







【番岳】ばんだけ(91.5m)
 2万5千分1地形図(黄島)

黄島港から番岳と連絡船「おうしま」○島内最高峰の番岳は中学校の裏から登ります、灯台の道標に導かれて草が繁る道を進むと急な階段となります。息が切れる頃には港が眼下に望まれ、あと一息です。広い山頂は灯台の敷地が占め展望は周囲の木々に阻まれてありません。


さらば黄島、番岳と細ヶ岳(右端のコブ)○日に2往復の連絡船まであと5時間もどうやって過ごしましょう、昼寝、食事、散歩と身体を持て余していると民宿の方に声を掛けていただきました。細ヶ岳が長崎県の最低峰との話から、何年か前に来た低山徘徊の先達「大悟法さん」の話題で盛り上がりました。帰りの船の乗客は隊長だけなので、船長の計らいで上部甲板に上って景色を楽しみます『少し寒いぞ!』次第に遠ざかる黄島に別れを告げて福江へ向かいます。