『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』
Jack is Back!
Part2はPart1を超えない、のジンクスを重々承知の上で、「それでも船長がみたい!」と言わせるだけの魅力をもつ”キャプテン・ジャック・スパロウとその仲間たち(笑)”が帰ってきました。
ジェットコースタームービーというか、ごろごろ転がり、上下にゆさぶり、必死の大脱走と、次々に繰り出すアトラクションでPart2の宿命を乗り切った、という印象は否めませんが、おなじみのキャラクターたちを掘り下げて、お約束のストーリー展開と上手く絡めたところは、結構良く出来ていると思います。
出だしはダークな感じで、カラスに目玉をつつかれる海賊のシーンとか、思わず「レーティングいくつだっけ?」と思ってしまいましたが、期待を裏切らない船長の登場シーンで一気に緊張が解けて、新たなる冒険が始まったなあと感慨ひとしお。
今回は二人の敵役がいて、一人は、ウィルとエリザベスの婚礼をぶちこわした東インド会社のベケット卿。二人を利用してジャックのコンパスを手に入れ、世界を操つる力を手に入れようとしています。もう一人は、ジャックが13年前に”取引き”をしたデイヴィ・ジョーンズ。さまよえる幽霊船=フライング・ダッチマン号の船長で、死に瀕した水夫に、死の先延ばしと引き換えに彼の船で100年の使役を求める海底の悪魔。契約期限がきたジャックの魂を得ようと、海の怪物クラーケンにジャックを追わせます。
今回のジャック船長は逃げ回ることが多くて、見ている方はいまひとつスカっとしませんが、ウィルの父親、ブーツ・ストラップ・ビルが変わり果てた姿ながら登場し、船長との再会シーンがあるのがお楽しみ。「Is this dream?(これは夢か?)」とあまりにお約束のせりふが出てきたので、吹き出してしまいました。まあ、一般的には父子再会シーンの方が感動的と言えるかとは思いますが。
全般的にコミカルなせりふとアクション満載で、見ていて飽きませんし、Part1のファンなら気がつく小ネタが随所にちりばめられていて、「お祭り」なつくりになってます。
とにかく爆笑なのは、火あぶりにされそうになったジャックの脱出劇と、カゴに閉じ込められたウィルたちの振り子の原理の応用シーンと、ジャックとウィルとノリントン(!)の三つ巴バトルなシーンですね。
フライング・ダッチマン号はじめ、普通CGで済ますところを、本物のセット組んで、本物の人間使って撮ってしまうというあたりが、予算の潤沢さの証明、というわけですね。どこのシーンをとっても「ちゃちい」と感じさせない所はさすがというべきか。
思いっきり「続く」な終わり方ですが、一瞬に凝縮されたキャプテン・ジャック・スパロウの色気と矜持に完敗。この瞬間、全てが報われた気がしました。
Part3に続くフックも完璧で、嫌が応でもPart3を心待ちしてしまうというもの(笑)。
海賊の夏が来ました。
みーはーねたばれ感想はこちら。
『ステイ』STAY
ユアン・マクレガー目当てに観に行って、思わぬ拾い物をしました。
「あなたの感覚を試す感動のイリュージョン・スリラー」なんて、わけわかな宣伝文句がついてますが、ネタバレしないで伝えようとして、これでも精一杯がんばっているわけですね。
精神科医のサムは、同僚から引き継いだ患者、ヘンリーを担当することになるが、ヘンリーは3日後、土曜の真夜中に自殺すると予告する。不可解なヘンリーの言動。揺らいでゆく世界。
結構みている間は緊張を強いられてぐったり疲れましたが、この映画の本当のおもしろさはスリラーめいたストーリーテリングではなくて、そこに描かれた世界が包含する、意味のある一片一片がスリリングな美しい映像で綴られているところだと思います。空間のねじれ、色遣い、繰り返されるイメージ、シーンからシーンへのつながり方が、とても意図的。そもそも反則なところもあるので、頭で理解しようとするとつじつまが合わないわけで、最後に一応謎が解かれるのだけれど、そこにあるのはパズルの解答でもカタストロフィーでもなくて、切なさ、人の思いの深遠さ。振り返って、タイトルがもつ意味に気づかされると、ワンシーン、ワンシーンが後からじわじわ効いてきます。たとえば、水族館の水槽越しに写るせいうちの姿から、サムの恋人のアパートの窓ガラス越しのショットにつながる美しいシーンがありますが、それが後から「思い出」とつながり、最後に「記憶」とつながる瞬間の胸を突く思いは忘れられません。
この手の設定に慣れていない人は「よくわからなかった」という感想なのかもしれないし、逆におなじみな人には「ぬるい」のかもしれないけれど、わたしてきには、どんぴしゃなフェイバリット映画に仕上がっていました。キューブリックやリンチなどを彷彿させるシーンもある本作が、「チョコレート」、「ネバーランド」のマーク・フォースター監督作品というのが、ちょっと意外な気もしますが。確かに「ネバーランド」の「ビジョン」は、(ジョニーだからではなく)映像としてわたしの好みであったわけで、目が離せない監督かも。
シリアスなユアンの演技もよかったけれど、ヘンリー役のライアン・ゴズリングの表情もとても良かったです。
『アンダーワールド・エボリューション』
映像的に注目作だった『アンダーワールド』の続編ということで、結構期待していたんですが、いやはやダメダメでした。
一応「実はね…」という物語展開は用意されているのですが、たったあれっぽっちのネタで映画一本作っちゃいかんよなー、と思ってしまう程に、薄っぺらで、キャラクターにも全然魅力が感じられないんですね。前作では、ライカン(狼男族)のリーダー・ルシアンといい、ヴァンパイアの長老・ヴィクターといい、迫力のあるキャラクターにドンデン返しの裏設定が効いていて、魅せられましたが、今回は、鳴り物入りで登場したヴァンパイアのもう一人の長老・マーカスは単なる化け物だし、鍵となるべき最初の不死者アレクサンデルは、「あんた、何のために登場したの?」という位、つまらないキャラでした。加えて、映像的にも全然美しくないし、前作の出来が良かっただけに、あまりに悔しい結果に終わっています。
第三部は過去の物語、ということになっていますが、初心に戻ってほしいわ。
『V ・フォー・ヴェンデッタ』
「独裁政権下の英国」という近未来を舞台に、仮面の男Vが叛旗を翻す物語。
と書くと、嘘ではないが、ミスリードという気も(笑)。
なぜ、今、この題材? というのは、最後までみても今ひとつぴんとこなかったし、Vについても、人となりが明かされないままに終わるわけで、Vの行動の契機は「理念」ではなく、「一人の女性の思い出」というあたりが、なるほど無難な落とし所なんだなあと思ったりしましたが、ともあれ、一度も仮面をはずさないV役を見事に演じたヒューゴ・ウィーヴングが素晴らしく、娯楽映画として全編楽しめました。
結局のところ、ツボる人にはツボるというB級映画だと思います(笑)。
『リバティーン』
17世紀後半、清教徒革命後の英国の、振り子の揺れ戻しのような王政復古時代を駆け抜けた、シニカルで過激な放蕩者、第二代ロチェスター伯爵を描いた作品。
うーむ、やられました。完敗です。
予告で使われている冒頭のモノローグからは一体何が起こるのだろう? という感じでしたが、見終わって、一人の人間の生き様、そして、彼の周囲の人々の人生、みたいなものがずっしりと心に残る作品でした。時代を超えて、突き刺さるものを描いている作品。
デカダントな生き方しかできないロチェスター伯爵=ジョン・ウィルモットを演じたジョニー・デップの演技もすごかったけれど、それを生かしきった脚本も良かったなあと。表情一つで、酷薄な笑みからにおい立つようなセクシーな魅力から、馬鹿な男の矜持まで演じるジョニーだからこそ、余計なせりふ回しは必要ないわけで、その辺りの見せ場の作り方が絶妙でした。
また、ジョン・ウィルモットを取り巻く三人三様の女性というピースが上手くはまっていました。18歳で莫大な財産を継ぎ、誘拐同然の事件を経て妻となったエリザベス・マレット、ジョンに才能を見出され三流役者から一流女優へと変身を遂げたエリザベス・バリー、そして、逃亡中に発病したジョンと行動を共にした娼婦のジェーン。彼に魅了され、彼を愛した三人の女性が精彩を放っているのは、それぞれが「自分」を持ちながら、彼と対峙しているからなのかも。
時の最高権力者であり、ジョンの才能を愛しながらも、自分の思う通りに動かせないフラストレーションを抱えたチャールズ二世を、これまた奇才のジョン・マルコビッチがすばらしい演技で、画面に緊迫感を醸し出していました。
ダンモア監督は、映画は今作が初監督ということですが、今後どんな作品を世に送り出してくれるのか楽しみですね。美術と衣装は、ピーター・グリーナウェイ監督作品や『真珠の耳飾りの少女』等を手がけているベン・ヴァン・オズとディーン・ヴァン・ストラーレンのコンビで、道理で道理での美しさでした。もちろん、マイケル・ナイマンの音楽も言う事なし。サントラ聴きながら、"Rochester's farewell" でついまた泣けてしまいました。
『立喰師列伝』
押井版昭和史、偽ドキュメンタリー、なんでもいいけど、商業作品(一応そうだよね)でやりたい放題できるって素晴らしい! と思いました(笑)。
私や連れのみなさんは爆笑モードだったのですが、場内、あんまり笑ってなくて、内心受けていても自分だけでほくそ笑むお客さんが多かったんですかねえ。見ている間は、思考があちこちに飛んで、笑いながらも結構真面目に色々考えたりもしたのだけれど、まあ、わたしが考えることなど押井作品ファンの人は誰でも考えるようなことなので、各自好き勝手に楽しんでください、ということで。パンフレットに、用語集”TACHI-DAS”もあるしね。
しかし、遠い未来、過去の記録はすべてうしなわれてい中で、オタクの執念で保存されていたこの作品データだけがうっかり発掘されちゃったりしたら、これが正史になってしまうのかしらん(笑)。
『ナイト・ウォッチ』
ロシアが生んだ新感覚ダーク・ファンタジー。
きれいにラッピングされていない所が、新鮮でパワフル。とにかく勢いがあります。
かつて世界を滅亡の淵に陥れた光の戦士VS闇の戦士の戦いは、休戦状態であるが、人間にまぎれた異種(アザーズ)が能力を発現すると、光と闇、どちらにつくかの選択は本人にゆだねられる。という世界設定なんですが、ここには、光=正義、闇=悪という構図はなくて、光も闇も、何が違うのかよくわからず、混沌としています。で、両陣営の硬直状態を破る強力な異種が現れる、という予言が、今、まさに現実になろうとしているわけです。
レーティングも規制も気にしていないので、結構、刺激がきついシーンもあるので、苦手な人にはおすすめしませんが、「ロシアにおけるトレインスポッティング」、「タルコフスキー ミーツ マトリックス」等とも評される作品なので、興味のある方はお見逃しなく。
三部作ですが、次作が楽しみで楽しみでしょうがありません〜。
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
クローネンバーグ監督作品というと、暗喩に満ちた意味ある気色悪さのオンパレード、というイメージですが、今作は、むしろ映像としては過剰さは押さえられリアリティに徹した描写で、淡々と薄皮がはがれていくように「日常」に隠れている人間と暴力の有り様が描かれています。
アメリカの田舎町で、喫茶店を営むトム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)は、店に押し入った強盗に対して、反撃し彼らを射殺したことで一躍ヒーローとなる。事件のニュースが全米に流れ、ある日、店に、片目に傷をもつ男(エド・ハリス)が現れ、トムのことを「ジョーイ」と呼ぶ。トム・ストールとは一体何者なのか?
冒頭、モーテルから出てきた二人の男のシーンから、わけのわからない緊張感があって、最小限に「みせ」ながら、最大限に「語り」、非常に上手く物語りがつながっていきます。その後も、家族から愛され、隣人からも好かれる男には、暴力を冒した過去があった(history of violence) 、という設定の話を、せりふの少ない、意味深いシーンの連続で語っていきます。それを可能にしているのは、主役のヴィゴ・モーテンセンはじめ、出演者の演技の上手さだと思います。ヴィゴは、「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルン役、というイメージが強いのだけれど、過去にも「インディアン・ランナー」の葛藤を抱える二面性をもつ人物役など、非常に印象的で迫力のある演技ができる役者です。今作も彼の演技と作品構成が上手くマッチし、相乗効果が出ていると思います。
暴力否定、あるいは、「正当」には確かな基準がある、といった欺瞞を、揺らがせてみせながら、一方で、人が受け入れられるものとは何なのか? と、カタルシスも答えもない問いかけをしてみせます。トムをキリストに重ねている、という比喩も、後からきくと「あー、なるほど」なのですが、宗教色も政治色も国民色も薄められた表現になっているので、素直に自分の心に映してみることができるところが、良いですね。
一番印象的だったのは、「暴力では何も解決しない」、と、いじめっ子に抵抗し相手を殴った息子を諌めた父・トムが、「悪党をやっつけた」後に、息子に「銃で家族を守るってわけ」と言われて、思わず息子を殴ってしまうシーンでした。衝動に駆られて、手をあげてしまったことに対する、何とも言えないトムの表情に、トムを通した「人間性」の全てが凝縮されているなあ、と。
久々に味わい深い映画をみた気がします。アラゴルン役のヴィゴしか知らない人にも、クローネンバーグ作品を見た事がない、という人にも、お勧めです。
『ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女』
映画「ロード・オブ・ザ・リング」がなければ、この企画もなかっただろうなあ、という気がするわけですが、ご存知C.S.ルイスの児童ファンタジーをディズニーが映画化。
映像としてはとてもよく出来ているんですが、美しい器に魂はいずこ?、と言うとちょっと厳し過ぎるかしらん。
ナルニア世界は本当に丁寧に作ってあるし、「動物がしゃべる」ことがまったく違和感なく感じられる映像処理は素晴らしいです。衣装、セット、クリーチャー、小道具まで手抜きのない仕事ぶりにも感服しました。4人の子役の演技もよかったですしね。白の魔女にティルダ・スウィントンときいた時には、イメージ違うなあ、と思っていたのですが、映画の中では一番迫力があり、魅力的でした。
映画としては、派手でドラマチックなシーンがないと盛り上がらない、というのはわかるんですが、川の氷が割れるシーンは「やり過ぎだよねえ」としか思えず、大バトルシーンはそれ故に、物語の焦点がぼけてしまった感じがしました。本来、メインは石舞台のシーンだと思うので。
しかし、脚色のおかげで登場する、アスラン軍の近衛隊長(!)、ケンタウロスのオレイアスというキャラが、個人的にはおいしかったです。ナルニアでこんなキャラが出てくるとは思っていなかったので、側近スキーなわたくしとしてはチェック入りましたとも。「白の魔女の軍が近づいています。ご命令を。」ってところで、"sire(わが君)"と呼びかけているのを聞いて、ゲージ上がりましたよ(笑)。あの状況で、絶望する暇もなく、予言を信じて自分がピーターを助けるしかない、って思ったんだろうなあ、とか妄想は広がるわけで。で、バトルが始まる直前、"Are you with me?(共に戦ってくれますか?)"というピーターの問いに、"To the death.(死ぬまでお供します)"と、答えた上で、女王との一騎打ちまでしてしまうとは、ありがちな展開ながらも大変楽しませていただきました。
そうそう、アスランの声にリアム・ニーソンは完璧でした。(リアムの声そのまんまなのが、ある意味、罪ではありますが(笑)。)
というわけで、ナルニアであってナルニアではなかったなあ、というのが正直な感想ですが、楽しめたことは楽しめました。
『プロミス 無極』
予告編の映像が綺麗だったし、とりあえず真田さんを観に、という程度でしたが、これが結構ツボりました(笑)。
真実の愛を代償にすることで、全てを手に入れることを約束された女・傾城。俊足の奴隷・昆崙は、華甲冑の大将軍・光明を新しい主人とするが、刺客によって傷を負った光明に代わって、北の公爵・無歓に包囲された王を救出するはずが、王を殺し、王妃・傾城を救ってしまったことから定められた運命の歯車が動き出す。
宿命を変えようとする話ってところは、どうでもよくて、ひたすらキャラ萌え(笑)。
北の公爵・無歓が美しくて冷酷で良いのですよ。密かにミッチーと呼ばれている(笑)ニコラス・ツェーが演じていますが、ビジュアル的にここまで完璧だと、どんなことやっても映えますよね〜。扇子を使ったアクションシーンはかっこいいし、「私の扇子を汚したな」とか言ってくれたりして、たまりません(笑)。さらに、彼に仕える黒衣の刺客・鬼狼というのが、またおいしいキャラでして。一度は全てを捨てたはずなのに、捨てきれない思いを抱え、過去の負い目と同族への思いと自己の命の板挟みにあう、惨めで哀愁漂う人物なのです。
華将軍と奴隷、北の公爵と黒衣の刺客、この4人の入り乱れた関係は、「傾城のため」というところはどうでもよい争いに見えてくるのは何故かしらん。なぜ、あの黒衣が、北の公爵の手に入ったのかはわからなかったけれど、黒衣を通した彼の歪んだ愛が最高です(笑)。
CG処理のレベルはいまいちですが、それ以外の映像は予想以上に美しく丁寧なカメラワークで、センスある雰囲気に仕上がっていました。
『ミュンヘン』
1972年ミュンヘンオリンピックで起きたパレスチナゲリラによるアスリート殺害事件。イスラエル政府は秘密裏に事件の首謀者12人の暗殺を企てる。暗殺チームはイスラエル秘密警察”モサド”の一員アヴナーとスペシャリスト4人。人を殺したことのなかったアヴナーは、愛国心と"正義"の名の下に、一人一人ターゲットを殺していくが、報復は報復を呼び、自身も反対陣営からターゲットとなっている事を知り、恐怖と疑念にとらわれ、心のよりどころを失ってゆく。
生々しくかつセンシティブな題材を使いながら、一人の人間の行動、葛藤に焦点を当てることで、上手くバランスを取り、普遍的なテーマに昇華させているところはさすが。そして、最後に主人公のバックに写るNYの超高層ビルをみた瞬間、観客は自分が置かれている世界を顧みざるを得ないわけですね。静かに衝撃的な作品と言えるのかも。
アヴナー役のエリック・バナは、特殊な状況でありながら、誰が陥ってもおかしくない、という、自然な共感を誘うキャラクター作りに成功し好演。暗殺チームの4人のメンバーも、やっぱりボンドは似合わないなあと思うダニエル・クレイヴはじめ、個性豊かなベテラン俳優を布陣し、隙がありません。アヴナーの上官役のジェフリー・ラッシュはさすがのカメレオン俳優で、非常に見応えがありました。
結構疲れる映画ですが、後から効いてくる映画ですね。
『フライトプラン』
飛行機の中で6歳の娘が行方不明になるが、乗客は誰もその子を見ていない、と言われる。
サスペンスを予感させる予告編に、「どうなるんだろう?」と期待が膨らんでいたのですが、本編は、というと、錯乱した母親(ジョディ・フォスター)の描写が多すぎてうざくなってくる上に、設定のツメが甘くて「あり得な〜い」という気持ちが先に立ってしまい、なんともがっかりな作品でした。
制服がウルトラ似合うショーン・ビーンの機長姿を堪能できることだけが取り柄ですね。