乱倫夫婦

読者 神無月
 今回じっくり続けて読んでいくと官能描写はもちろんのこと、特に香織、秀吾の心情描写に感情移入してしまいました。
 道ならぬ道へ次第に落ちていく香織、それをみながらどうすることも出来ず、自らもそこへ落ち、更に深みへはまっていく秀吾。純也という精力絶倫の危険な匂いのする男をきっかけに、今まで溜まっていた生活のストレスを一気に開放しようとする香織、そんな香織に接し今更ながらに妻への愛に目覚める秀吾。そして、そんな純也と香織の背徳の行為ゆえ傷つく詩織。それを自分を責めながらいたわる父秀吾。更にいたわる父を思いやる娘詩織。
 お互いがお互いをいたわり思いやる心が後半特に感じられ、神無月ワールドの根底はやはり家族愛なのだ!と感じ入る次第でした。
 登場人物が一家4人と響子夫婦という6人で、少人数でしたの心情が複雑 にならず、わかりやすかったのかなとも思います。
 最後に今思えば、きっかけ作りになった純也がひとり蚊帳の外という感じで、少しかわいそうでしたね。
 とても、感じ入った小説でした。有難うございました。これからも、読者を魅了してくれる作品を期待しています。
 会話文と外来語を極力避けて、どこまで書けるか試みた習作です。
 結果的には、ポルノ小説と純文学の中間的小説、と自分で位置づける作品となりました。

 ご指摘の「純也がひとり蚊帳の外という感じ…」は正にその通りだと思います。
 筆を執る前から、父親(秀吾)に思い入れして書くつもりでおりました。そのためもあって、書き進めているうちに純也に少なからぬジェラシーを抱くようになり、必要以上に冷たくあしらう結果になりました。自分が描く登場人物にジェラシーを感じるなんてこともあるんですね。(苦笑)
 彼は家族だけれども血で繋がっていないし。と、自分に言い訳しています。
 今思えば、タイトルを「四人家族」から「乱倫夫婦」に改題したのもそこらに起因しているようです。
 当初詩織にウエイトを置くつもりでいたのが、なぜかその母親(香織)にかなりシフトしてしまいました。これも純也への反発のせいかもしれません。
 言い忘れてましたが、「乱倫夫婦」はものすごく好きな作品です。
 会話を削っているせいか、神無月さんの心理描写が冴え渡って、僕は何度感心し、使わせていただいたことか。
 今まで僕が苦手としていた父娘相姦でも抜きまくり(笑)。
 おっかなびっくり地の文だけで書き進めたのですが、終わってみると、全体的に静寂を感じさせる作品になって、我ながら「これもありか」と思っている次第です。
 読者が私の文章を「使ってくれる」のは望外の幸せです!
 すり切れるまで使ってください。<なにが?

2008/08/05

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