徳島低山四連発

七ツ山・弁天山・熊山・観音山

日本一の弁天山


【行程】 9/19(水)快晴 [徳島5:40=(タクシー)=大野5:50−七ツ山6:00−大野6:05==登山口6:11−弁天山6:12−登山口6:15==敷地6:30−熊山6:39−敷地6:45==地蔵橋6:53/7:09=(JR)=羽ノ浦7:29−観音山7:40−羽ノ浦7:56/7:59=(JR)=徳島8:35]
【メンバー】 隊長(単独)


【七ツ山】ななつやま(25.0M) 徳島県第二位
 2万5千分1地形図(徳島)

国土地理院発行の2万5千分1地形図(徳島) ○徳島近辺には県の低山が集中していますので、これを一網打尽にいたします。仕事の前に効率良く回るため前半は車、後半はJRの利用とします。早朝の街中で必死に車を捕まえ、いざ出陣です。七ツ山はその名の通り七つの丘が園瀬川の南岸に展開しています(セブンサミッツだー)本当は七つのピーク全てを征服したいところですが、本日は時間の関係で最高峰のみとさせていただきます。

意外に急角度の七ツ山
○山麓に着きますと寝静まった民家の脇を失礼して裏山に取り付きます、思ったよりも急な斜面の藪を漕ぎながら直登します。ところが行く手に7Mほどの岩壁が立ちはだかります、脆い砂岩の岩場をヘズるように回り込み、最後は三点確保で乗り越えます(こんなの覚悟していません)山頂は切り立った岩の上で高度感溢れます。眼下ではJRの始発が警笛とエンジンの音を響かせ、軽やかに鉄橋を渡るところです。

○東方の海面からは橙色の太陽が顔を出し荘厳な日の出の一瞬を迎えます、思わず手を合わせ世界の平和を祈念する隊長です。下りは脆い岩にちょっと難渋しましたが慎重に登って来たルートを辿ります。藪の中を転がりながら民家の裏手に出ると逃げるようにして車に戻ります、蜘蛛の巣だらけの薄汚れた怪しい風体を考えると正しい判断だったことでしょう。



【弁天山】べんてんやま( 6.1M) 徳島県第一位・日本第三位
 2万5千分1地形図(徳島)

国土地理院発行の2万5千分1地形図(徳島) 県道脇の看板
○日本第三位の弁天山、実は日本一なのです。日本一の大阪天保山第二位の仙台日和山は共に人工造成の山ですが、弁天山は天然の山としては一番低い山です。地蔵橋南方の踏み切りを渡り田圃のなかの県道(昔の土佐街道)を0.5K進むと、左側に高さ4Mほどの緑に包まれた岩が現れます。その昔に源義経が屋島合戦の前に小松島に上陸した時には、この付近一帯は海で弁天山は小島だったそうですが、室町時代に海水が引いて湿地帯となり小島が小山となりました。



弁天山からの御来光
○南側に赤い鳥居がありここから白い階段の参道が続きます、厳かな気持ちで一歩一歩登ると10秒ほどで山頂に到着です、弁財天を祭った小さな社殿がありました。朝露に濡れた社の屋根に、日の出直後の大きな太陽が朝の大気を通して鈍い光を投げかけています。刈り残された田圃の稲が眩いばかりの黄金色の穂を風になびかせながら、様々な模様を大地に描き出しています。見飽きることの無い早朝の田園地帯の景色を瞼に留め弁天山を後にいたします。





【熊山】くまやま(41.0M) 徳島県第四位
 2万5千分1地形図(徳島)

田んぼの中の熊山(東側から)
国土地理院発行の2万5千分1地形図(徳島)○弁天山の南には小高い山の稜線が走っていますが、その南の山裾にある田圃には土を盛ったようにモッコリとした熊山が存在します。南側に参道らしきものがありますので辿りますが、すぐにお堂に出て行き止まりです。お堂の裏の藪を漕ぎますと向こう側にはミカン畑がありました、これ幸いとまだ青い実を付けた枝を掻き分けて進みます。

○わずか10Mのゲインでしたが再び藪に突っ込みます、気味の悪い女郎蜘蛛の巣を払い、刺のある植物に手を焼きながら徐々に高度を稼いで行きます。意外に広い山頂に立つと感激する間もなく下ります、東に魅力的な竹薮がありそそられましたが、その下がどうなっているか不明でしたので来た道を戻ります。下から見たら家と畑なのでこちらからの方がアプローチし易いようでした(この記録を参考に登る暇人はいないと思いますが)


【観音山】かんのんやま(29.0M) 徳島県第三位
 2万5千分1地形図(阿波富岡)

マンジュシャゲの咲き乱れる参道
国土地理院発行の2万5千分1地形図(阿波富岡)○地蔵橋駅で車を捨てJRで羽ノ浦に向かいますが、そろそろ朝の通学客が目につき始めます。駅からは北に向かい羽ノ浦神社の大きな鳥居を潜ると、観音山に向かって両側に真っ赤なマンジュシャゲの咲く参道が延びています。山頂の直下に緑青を葺いた大きな屋根が見えますので、藪は無いかも知れないという期待が高まります。

○山裾からは神社への立派な道を分け左の細い道を登ります、薄暗い山道の端にはお地蔵様が幾体も置かれ、赤い涎掛けが信仰の深さを物語ります。やはり山頂まで道は通じていました、ところが雛にも稀な?展望台があるじゃありませんか、ぶっ飛ぶ隊長。急な階段を昇ると眼下に羽ノ浦の街を見下ろしますが、松の枝が茂って展望はいまひとつでした。

観音山全景
○写真を撮って反対側から降りようと半歩足を出して・・凍りつく隊長、何と階段ではなく急な滑り台になっているじゃありませんか、危ない危ない。帰りはお寺にお参りしてから、隣の神社を掃いている神主に「おはようございます」と元気に挨拶して下ります。通勤通学客で混む列車はのんびりと徳島を目指します、車窓からは熊山、七ツ山が間近に望まれ早朝アタックの成果に一人にんまりとします。ホテルに帰りシャワーを浴びると普通のビジネスマンに戻り、何事も無かったように仕事に出掛けました。