三浦半島低山縦走+源氏山

麓から山崎山を仰ぎ見る


【行程】 12/25(土)快晴 [たまプラーザ6:35=(東急・横浜市営地下鉄・JR)=逗子8:02/8:13=(京急バス)=横須賀市民病院8:50−最終民家9:21−扇山9:44−つつじの丘10:05−山崎山10:15/10:20−栄林寺10:34−竹川バス停10:53/10:59=(京急バス)=横須賀11:46/11:51=(JR)=鎌倉12:15−源氏山12:42−北鎌倉13:11]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗


【扇山】おうぎやま(101m)  2万5千分1地形図(浦賀)

国土地理院発行の2万5千分1地形図(浦賀)山頂はキャベツ畑の奥にある ○今年の忘年山行は鎌倉アルプスですが、その前に気になっている三浦半島の低山に登りたいと思います。実は隊長の知らないうちに、神奈川県の最低峰が入れ替わっていたのです。それまでの岩堂山(82.2m)に替わって、山崎山(78m)が新たに地形図に載っています。そうと判れば早速出かけたいところですが、低山の藪山を訪れるのは冬を待たねばなりません。



○どうせ行くなら北にある扇山からつつじの丘を通って山崎山まで縦走いたしましょう。今日は雲ひとつない快晴ですが、今年一番の冷え込みで東京では1度Cと寒い朝を迎えます。逗子からは長井行きのバスですが、手前の市民病院行きが出発するところでした。少し歩くことになりますが乗り込みます。太田和で小田和川沿いの道を北上すると前方に目指す山崎山が現れました。

扇山の山頂は密度の高い竹藪の中

○地形図を拡大して持参しましたが、距離感が定まらないうえに、山道に入ると農道が縦横に走って現在位置の特定が難しくなります。道は山崎山の西裾を回り込むようにしますが、つつじの丘との鞍部に向かって進んでいるようです。慌てて戻り分岐を北上します。農家の庭先を通って裏の急な農道を登り始めます。狭い道ですが轍の跡もある急坂です。しばらく行くと土を満載の軽4が下ってきました(どこに避けたら良いのやら)



○山の上にはキャベツ畑があり、眼下には大きく展望が開けます。この畑の奥から竹藪に突入です。密集した竹の厳しい藪でしたが、薄い踏跡には赤いテープが残り誰かが登った跡がありました。テープに導かれて細い竹の藪を漕ぐとほどなく山頂でした。ここから南東に向かわなければなりませんが、テープに釣られて東に下ってしまいました。





【つつじの丘】つつじのおか(94.3m)

武山団地からつつじの丘を望む ○竹藪を突破して見晴らしが利くところに出ると、目の前に自動車道路があるじゃありませんか。失意の登山隊は竹藪を登り返します。山頂まで戻ると、今度は慎重に南東の尾根に乗ります。藪が薄くなると前方に高いフェンスが現れ行く手を阻みます。右手に回り込んでもフェンスが続いていますから、思い切って乗り越えましょう。



○ところが3m近い高さのフェンス上には、鉄の針のネズミ返しが着いているじゃありませんか。米軍基地じゃあるまいし、何で無料公園にこんな厳重なガードが?一体全体どんな必然性があるのでしょうか??おまけに靴の先端がフェンスの網に入らず、腕の力だけで身体を持ち上げなければなりません。



つつじの丘の山頂付近(後方にフェンスが見える)○必死でフェンスにしがみ着きますが身体が落ちそうになり、フェンス上に並ぶ鉄の針の処理には閉口いたします。ウルトラC(ふ、古い!)の片手枝掴み半回転捻り技で何とか乗り越えましたが・・・着地はNGです。ところが大技を持たない鴉天狗は難渋しているようでした。まったく還暦も近いのに何をしているのやら。



○思わぬ伏線に心身ともにボロボロになった登山隊でしたが、着いたところは丘一面に躑躅が植わる公園でした。ここからは南東に大きく展望が広がります。三角点は見つかりませんが、東屋の横に標高標識があり山頂を確認いたします。隊長は公園名から「つつじの丘」と名付けました。フェンス越えの格闘で大汗をかきましたので冷たい風が心地よい山頂でした。




【山崎山】やまざきやま(78m)

山崎山の山頂付近は薄い藪 ○もう一度フェンスを越える必要があるかと戦々恐々で下りますが、暫く行くとファンスは途切れました。安堵しながら笹薮を下ると右下に踏跡を発見します。これは山崎山との鞍部まで続き、ここで左右から登ってくる道に出合います。山崎山へは薄い藪を分けながら登ります。山頂付近は木が茂り展望はありませんが、神奈川県の最低峰に登った充実感で一杯でした。



○先ほどの鞍部に戻れば簡単に下れますが、折角ですから東に伸びる尾根を下りましょう。細い竹が密生した手ごわい藪ですが、気力を振り絞ってかき分けます。最後は傾斜が急になります。竹に掴まりながら崖を飛び降りた所は栄林寺の墓地でした。



○三浦縦貫道路を潜り竹川バス停から横須賀行きのバスに乗ります。予定より早い下山でしたが、道路渋滞のため倍の時間が掛かってしまいました。それでもまだ時間が45分ほど余っていますから、電車を鎌倉で降りて源氏山に向かいます。




【源氏山】げんじやま(93m)
 2万5千分1地形図(鎌倉)

国土地理院発行の2万5千分1地形図(鎌倉)源頼朝の像が迎えてくれる ○鎌倉の街は観光客で賑わっています。街角には案内標識が完備しているので、地図を見なくても問題ありません(本当か?)「源氏山」の案内標識に導かれて左折したのですが、400mほど進むと前方にトンネルが現れます。可笑しいなあ?ここで初めて地形図を見て間違いに気が付くボケ隊長でした。


○「何たるこっちゃ」鎌倉市の案内表示のいい加減さに怒り心頭です。慌てて戻り寿福寺を目指します。今度は近道の道標を信じて寿福寺の裏から登山口です。急な階段の山道を上るとトイレのある公園で、その上の丘が山頂でした。山頂には標識も無く誰もいません。北側に僅かに展望が開けています。写真を撮ったらとっとと下ります。


○北に進むと頼朝像が建つ公園に出ました。その先で化粧坂という美しい響きに魅かれて階段を下ってしまいました。結果的にはこれが大間違いの始まりでした。濡れた急坂を下ると山裾の住宅に出て舗装道路となります。鎌倉への道を分け直進すると、道は狭くなり傾斜を強め奥へと続きます。こんな狭い道に後ろから車が迫り、避ける場所が見つかりません(・・冷や汗)


○突き当りに車庫があり、先ほどの車が駐車しています。前方には土の壁が立ちはだかり、どうやら道は行き止まりです。途方に暮れて地形図を確認すると・・・やはり道は途切れていて繋がっていません。再び「何たるこっちゃ」しかし泥壁を良く見ると、薄い踏跡らしいものが続いているじゃありませんか。何とか崖を攀じ登ると、尾根上にはハイキングコースがありました。


○北鎌倉で待つ大御所に遅刻を詫びて、第一部の低山巡りは無事に終了いたしました。念願の山崎山への登頂を果たすことができたし、久しぶりに時間を目一杯使っての低山散歩は充実感溢れるものでした。これが隊長の低山熱復活の狼煙となるのでしょうか?