奥の細道低山徘徊−5

大嶽山・舟島山・大欠山・白髪山・不老山・鰯山・丸山
大平戸山・新富山・双観山・多聞山・御殿山・韮山・本陣山

東名港から丸山を望む


【行程】 8/14(土)曇りのち晴れ[若柳6:45=(車)=NE(*)7:06−大嶽山7:11−NE7:17==W7:40−舟島山7:45−E7:51==NW8:28−大欠山8:33−NW8:40==E9:00−白髪山9:05−NE9:07==E9:15−不老山9:18−E9:20==N9:30−鰯山9:38−N9:43==E9:55−丸山10:01−E10:06==塩釜港10:50/11:00=(連絡船)=寒風沢島港11:52−NW12:13−大平戸山12:23−SW12:27−港13:03/14:08=(連絡船)=塩釜港14:54==S15:30−新富山15:33−S15:36==N15:50−双観山15:51−N15:52==S16:21−多聞山16:24−S16:26==N16:39−御殿山16:46−N16:52==韮山17:01==原ノ町19:04(泊り)]*山頂からの方位
8/15(日)雨[原ノ町7:17=(車)=W7:37−本陣山7:39−W7:42==たまプラーザ13:00]
【メンバー】 隊長


【大嶽山】おおだけやま(41m)宮城県第七位  2万5千分1地形図(西野)

堂々たる山容の大嶽山国土地理院発行の2万5千分1地形図(西野) ○この山は地元では有名なようです、山頂には立派な金堂が建ち四方から参道が上がっています。正門は南ですが東側から登ります、金堂に着くと北側から車道が上がって来ていました。朝露に濡れた参道は静寂のなかにもしっとりとした落ち着きを見せ、金堂の荘厳さは奥州の懐の深さを感じさせました。海から遠いにもかかわらず堂々たる山容を示す大嶽山に心を残しながら先に進みます。







【船島山】ふなじまやま(18.1m)宮城県第三位
 2万5千分1地形図(涌谷)

田圃に浮かぶ緑の舟島国土地理院発行の2万5千分1地形図(涌谷)○田圃の中に緑の島が現れます、文字通り舟の形をした小山です。一周してみますが登山道はありませんので下草の薄そうな西側から試みて見ましょう。草を分けると山中は意外にも下草が少なく歩き易く、下枝も払ってあり手入れが為されていることがわかります。山頂には余裕で到着し余勢をかって東側に下山します、小雨が降り出しましたので素早く離脱いたします。






【大欠山】おおかけやま(44m)宮城県第九位
 2万5千分1地形図(小野)

大きく欠けた山容法面工事の急階段を登る○名前からして山の一部が大きく欠けたような印象ですが現地に来たら正にそうでした。昨年の宮城沖地震で更に崩れ法面補修工事中です、幸い作業用の梯子階段が稜線まで掛かっていますから利用させてもらいましょう。かなりの高度感ですから下を見ないで一気に上り切りました。



国土地理院発行の2万5千分1地形図(小野)○稜線上には道がありますから切れ落ちた崖に気をつけながら楽々山頂です。山頂からは南に展望が開け仙台湾まで遠望できました。下りの梯子は怖いので尾根を辿って戻ります、給水塔の脇を通ると墓地がありお盆の墓参りで賑わっていました。









【白髪山】しらがやま(約15m)宮城県 山名表示なし
 2万5千分1地形図(小野)

極端な痩せ尾根国土地理院発行の2万5千分1地形図(小野) ○不老山麓の白髪神社に車を停めて後ろの山に挑みますが、垂直に近い岩壁にまったく歯がたちません。それではと東側から尾根沿いに薮を漕ぎますと稜線上には明瞭な踏跡がありました、山頂付近は極端な痩せ尾根で崩落防止工事が為されています、あまりに細い稜線と危うい足元に早々に下山いたします。







【不老山】ふろうざん(21m)宮城県第四位
 2万5千分1地形図(小野)

海岸の砂浜にある岩山○カーナビに不老山が目前に表示されました、すると先ほどの山は何だったのでしょう??狐につままれる隊長(単なる地図読みのミスです)しかたがないので先ほどの山は神社にちなみ「白髪山」と命名しておきましょう。本当の不老山は草が少々煩いけれど登山道が完備していて山頂まで楽に登れます。






【鰯山】いわしやま(29m)宮城県第五位
 2万5千分1地形図(小野)

こんな岩山登れるの?国土地理院発行の2万5千分1地形図(小野)○こんな山に登れるのでしょうか?急傾斜の南斜面は崩れかけ西側の道路は落石で通行止めです。東から北へ回りこみながら弱点を探します、中学校の脇を入ると北側の尾根筋が取り付けそうです。少し登るとほんの微かな踏跡が認められ大いに励まされます。やがて棘のある木に阻まれますが強引に踏み越えました、今度は5mを越える岩壁が現れますが右に巻いて乗っ越します。

○最期に薮を漕ぐと待望の山頂です。前は切れ落ちた崖なので展望は抜群ですがお尻がムズムズと落ち着きません、長居は無用と踵を返します。帰りは往路をトレースしますが時々外れると右も左も切れ込んでいて進退に窮するほどです。下りきったらドッと汗が噴出してきました、鰯山を見上げて『良くぞ登ったり』




【丸山】まるやま(52m)宮城県
 2万5千分1地形図(小野)

国土地理院発行の2万5千分1地形図(小野)○東名港に向かって細い道を進むと右手に鳥居が見えます、ここから山頂の神社までは参道が整備されています。暗い森のなかの山頂は展望こそありませんが、どっしりと落ち着いた良い山でした。港からのベストショットを得るために防波堤の先まで結構歩きまわりました。







【大平戸山】おおへどやま(30.8m)宮城県第六位
 2万5千分1地形図(宮戸島)

防波堤の突端にある小山国土地理院発行の2万5千分1地形図(宮戸島) ○塩釜から連絡船に乗って寒風沢島へ向かいます、お盆の帰省客でしょうか釣り人に混じって船は満員です。港からは島の反対側の岬まで1Km強歩きます、田圃の中の真直ぐな一本道を進むと前方に2つのピークが望まれます

○左の緩やかな山容が目指す大平戸山です。東側の防波堤に移って山麓まで到着しましたが取り付く島もありません。思い切って稜線まで竹薮を漕ぐと薄い踏跡を発見、倒木を切り刻んだ束が積み重ねてありました。その上を歩いたりしながら苦労して山頂まで辿り着きました。

○向こう側に良い踏跡が続いています『時間もあることだし・・』止せば良いのに気持ちが動きます。途中から急激に下り始め道が無くなります、薮の下から波の音が間近に聞こえました。こわごわ崖をトラバースしながら北側に回りこむと下に西側の防波堤が見えました、強引に降りて防波堤を歩き草薮を掻き分け進みます。

○汗だくになりながら港に戻りますが連絡船まで1時間もあります。時間に追われる旅を続けてきましたがポッカリと時が止まったような感覚です、お陰で久しぶりにゆっくりと身体を休めることができました。





【新富山】しんとみやま(45m)宮城県第十位
 2万5千分1地形図(松島)

山頂の社国土地理院発行の2万5千分1地形図(松島)○大混雑の松島港付近をカーナビに導かれて左折しますが瑞巌寺のところで通行止め(なんたるこっちゃ)観光客で混雑する細い道をバックして出直します。今度は坂を上ると正面に階段を発見、鳥居を潜って参道を登るとお堂のある山頂です。








【双観山】そうかんざん(43m)宮城県第八位
 2万5千分1地形図(松島)

観光地化した展望の良い山頂国土地理院発行の2万5千分1地形図(松島)○展望台の駐車場からほんの僅か登ると東屋のある山頂です。海に面した展望台からは風光明媚な松島湾が眼前に広がります。展望茶屋もある観光客で溢れる山頂は、低山徘徊シリーズの対象としては随分と違和感がありました。








【多聞山】たもんざん(50m)宮城県
 2万5千分1地形図(塩竃)

木々の間から展望を得る国土地理院発行の2万5千分1地形図(塩竃)○こちらも安直登山です、展望台駐車場から数分で権現堂のある山頂でした。その先の毘沙門堂が展望に優れるようですが目的を達したので戻ります。ここまで来ると観光客の数もぐっと少なくなり車は僅か数台でした。








【御殿山】ごてんやま(48.5m)宮城県第十一位
 2万5千分1地形図(塩竃)

岬の突端に灯台がある山頂(韮山から)国土地理院発行の2万5千分1地形図(塩竃) ○駐車場から奥に進み神社への道を分けると400mで花渕灯台です。展望はありませんが誰もいない静かな山頂に鴬の鳴き声が響き渡ります。










【韮山】にらやま(13.6m)宮城県第二位
 2万5千分1地形図(塩竃)

宅地化で削られた山頂国土地理院発行の2万5千分1地形図(塩竃)○山の高さが低くなったのは何故?現地の確認は欠かせません。山頂付近に到着しましたが、なんと家が建っているじゃありませんか。どうやら宅地造成で山頂を削ってしまったようです。







下から韮山を望む「単なる崖じゃん」○付近を調べると柵の向こうに木の生えた斜面があり山道が上って来ていました。住宅街の端なので自然公園にでもすれば良い環境が残せたものを、僅か2、3区画のことでしょうに本当に情けないことです。唯一の救いは西方が開けていて海に突き出た御殿山が望まれることです。









【本陣山】ほんじんやま(63.5m)福島県最低峰
 2万5千分1地形図(原町)

馬場から本陣山

国土地理院発行の2万5千分1地形図(原町) ○昨晩からの雨で路面は濡れていますが本日は薮漕ぎはありませんので気楽です、観光地の本陣山を訪問します。戦国時代から続く相馬野馬追いはクライマックスで山上の本陣に登りますが、そこが福島県の最低峰の本陣山です。小雨のなか傘をさしてにの登頂でしたが、誰も居ない山頂の本陣からは馬場が一望できます。

○朝の雨に映える明るい山頂を最期に奥の細道低山徘徊は無事に終了いたしました。思えば6日間で43座(うち6座は未踏)を巡る2200Kmの長くて苦しい旅でしたが、終わってしまえばまた楽しい想い出です。それにしても返す返すも能代の日和山を登り忘れたのは残念でした。