【虎尾山】とらおやま50.9m
○久しぶりの低山探訪です。先月末に三重県で18歳の女子高校生が同級生に刺殺されるという悲惨な事件が起こりました。どうも嘱託殺人らしいのですが、その事件現場が今回の目的地なのです。近鉄のトンネルの上に聳える低山で地元では虎尾山(笠松山)と呼ばれています。
○この山は小説「半分の月がのぼる空」の舞台となっていて恋人たちの聖地とも呼ばれています。それが殺人事件の現場とはいささか物騒ですが、怖いもの見たさの野次馬根性丸出しでの訪問となりました。関西での会合のついでに名古屋から脚を延ばすことにいたします。
○近鉄の特急は快適ですが、禁煙車なのに残留煙草の臭いが強烈な不快電車でした(高い金を払ったのに・・・)終点の宇治山田で降りると地図を片手に緑の小高い丘を目指します。川を渡ってから山麓の住宅地の細い坂道を登って行くと小さな公園に出ます。ここの奥が登山口となっています。
○金網のフェンスに扉があり幸いなことに鍵は掛かっていません。扉を開けて登山道に踏み込みます。竹林の急傾斜にジグを切った道が続きます。この道は旧道が崩れて通行止めになったことからボランティアが造ったそうです。まことに有りがたいことです。
○小高い展望台に出ると柵に願懸けの絵馬が掛かっていました。恋人たちの聖地だけのことはあります。ここから苔むした石段が山頂まで続きます。山頂には大きな石碑が建っていました。明治聖代戦役記念碑です。周囲は木々に囲まれて展望は良くありません。石碑の裏側が事件のあった場所で、いくつもの花束が供えてありました。本当に痛ましいことです。
○無事に宇治山田の駅に戻ると弁当を仕入れます。松坂が近いせいもあって牛肉弁当がうまそうです。空いた車内は弁当を食べるのに何の不便もありません。黄金色に輝く稲穂を眺めながら至福のひと時を過ごします。でも今回の低山訪問は少し悪趣味だったと反省しています。ただ事件報道で現場が標高50.9mの山頂と聞いた時には心は高鳴り、いてもたってもいられませんでした(・・・困ったもんだ)