【鳥越山】とりごえやま 50m
○さて「低いのに大変な山」の第二弾です。鳥越山は低山の中でもピカイチの難度です。なぜなら隊長がピークを踏めなかった唯一の山だからです。12年前には夏草を分けてようやく立った肩で、その先に立ちはだかる岩稜にあえなく敗退したのでした。でも今回はテレビ取材ということで安全面に配慮してプロの登山ガイドを伴いますから、なんとか引っ張り上げてもらえるのではと淡い期待に胸が躍ります。
○夜明け前まで雨が降っていたとは思えないような良い天気になりました。青い日本海に浮かぶ粟島の黒い影、白い波が岩場に砕けます。透き通った空に聳え立つ鳥越山の切り立った岩肌に闘志が湧き上がります。前回は南側から登りましたが、今回は北側から登ることにいたします(道があるとの情報あり)念のためにヘルメットとハーネスを装着しましょう。
○トンネルを抜けたところにお地蔵様が祀ってあります。ここから薄い踏み跡が続きますが、すぐにアジサイが繁茂して通行困難です。強引に踏み分けながら進みます。すぐに道形は無くなり急傾斜の斜面に取り付きますが、柔らかい土に脚を捕られてズルズルと後退してしまいます。必死で草木に掴まりながら身体を持ち上げます。それでもカメラマンは機材を担ぎながら器用に撮影を続けますから・・・流石はプロ!
○「アッアー」ディレクター氏の悲鳴が響き渡ります。靴が脱げて這いつくばっているじゃありませんか(スニーカーって低山を嘗めてるのか?)汗びっしょりになってようやく肩に到着です。ここで一息いれてから本格的に頂上アタックといたしましょう。もちろんプロの山岳ガイドの出番です。
○ガイドは華麗なるクラオミングで岩場を乗り越えてピークに立ちます。ところがそれを見ている隊長の闘志は急激にしぼみます。あんな岩登りは到底無理です。今回も残念ながら諦めましょう・・・根性なしと呼んでくれ!
○ガイドの話しでは岩壁にコンクリートが吹きつけてあり崩落防止の金網と枯草があるためにとても滑り易いリッジとのこと。確保してもらっても素人が登れる山ではないと納得しました。今回はリベンジならずでしたが悔しいよりもホッとした面が強かった(隊長も意外と普通の人だったんですね)もう二度と訪れることの無い鳥越山の雄姿を瞼に焼き付けてから別れを告げます。