空から地上を撮影した写真(空中写真)を用いて、立体的に地上を見ることができます。たとえば‥
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これ、どう見るの? ‥それは以下に示すとおりです。サンプル画像集も用意しました。 いろいろな地形や街などを、立体的に見る楽しみを味わってみましょう。

1.実体視の原理

飛行機が一定の高度でまっすぐ進みながら(図1)、位置aで真下の写真Aを撮り、 位置bでは写真Bを撮ったとします。そのさい写真AとBは、共通な部分Cをもつとしましょう。
写真Aから、Cに相当する部分を切り出した画像をA'とします。 同様に写真BからC相当部分を切り出した画像をB'とします。 そして画像A'とB'を、図2のように並べます。 並べ方は図のように飛行コースに沿って、B'が左側になるようにします。 こうして2枚ひと組の画像セットができました。
画像セットを顔の正面に置いて、左目で画像A'を、右目で画像B'を見たとします。 するとそれは図1において、仮想的にaが左目、bが右目であるとして、C部分を見おろしたのと同じです。 すなわちC部分を両目で立体的に見ることができます。 このように2画像のセットを見ることを、実体視といいます。
実体視の原理
国内の各地の空中写真が国土地理院によって公開されているので、 それを用いて画像セットを作れば実体視ができます。 たとえば富士山を実体視したいなら、共通部分Cに富士山があるような写真AとBの組を探しだして、 画像A'とB'を図2のような配列に並べればよいわけです。

2.実体視の練習

ふだん私達が物を見るときは、左右の目でひとつの物を見ます。 このとき二つの視線は、当然ながらひとつの物を指しています。 ところが実体視では、ふたつの視線は交差して、それぞれ別々の画像を指さなければなりません。 これはふつうと違う見方ですから練習を要します。 さて実体視には、視線を交差させないで平行にするやり方もあります。 その場合、図2での配列は、A'を左、B'を右とします。 そして左目で画像A'を、右目で画像B'を見ます。 この場合は、画像A'やB'の幅を、左右の目の間隔よりも大きくするのは困難でしょう。 だから画像は十分に小さくするか、縦に細長くするという制約をうけるし、 制約をのがれたいとすれば特別な器具が必要になります。
視線を交差する場合には上記のような制約がありません。 ここではすべて視線交差による実体視をとりあげます。

3.実体視の画像集

いろいろな地形などの実体視画像を以下に示します。 並べ方は特に系統的なものではなく、もっぱら形の面白さを主眼としました。 画像は少しずつ付け加えていきたいと思います。
元になる写真は国土地理院ホームページ《地図・空中写真閲覧サービス》からダウンロードして、 図2にならって画像を作りました。 各画像には元の写真の番号を記しています。番号は
   OOOOO‐OOO‐OO
のように付されていて、
   整理番号 ‐ コース番号 ‐ 写真番号
を表します。 整理番号には撮影時期が西暦年で含まれます。たとえば CKT994X なら1999年度。 コース番号は、図1において飛行コースに付された番号、写真番号はA、B、等々に付された番号です。
図2にならう画像セットにおいて、もし飛行コースが西から東であれば、画像では上が北に相当します。 もし飛行コースが北から南なら、画像では上が東になります。 以下の画像では、特に断らない限り上が北に相当します。
各画像のサイズは300kB〜400kB前後で、PC画面での表示を意図しています。 画像の表示が大きすぎると実体視が難しいかもしれません。 その場合は、ブラウザの設定によって画像表示の大きさを調整してください。

画像一覧